期待値とコストについて
取引の結果が確率的に決まる場合、取引あたりの期待値は、十分な回数の取引をした後の平均値として定義できる。また、 取引には通常コストがかかるため、コスト控除後の期待値:(期待値ーコスト)が重要な変数となり、その値がプラス、つまり、期待値>コストの条件を満たす取引が経済合理性のある取引として定義できる。また、金額まで考慮する場合、取引量x(期待値ーコスト)が重要な変数となる。
期待値は外部要因で決まるため、コントロールの難しい変数だが、コストは一般的に取引量に依存するため、取引量をコントロールすることで制御可能な変数である。
一般に
- 取引量を大きくするほど、コストは大きくなる
- 市場全体の取引量に対して、自身の取引量が大きいほど、コストが大きくなる傾向がある
経済合理性のある取引(期待値>コスト)を行うためには、少なくとも上記2点を考えて、コストを管理する必要がある。
また、市場が加熱しており、取引量が拡大傾向の時は、
- 同じ取引量でも相対的に小さなコストで取引できる可能性がある
- 普段より大きな取引量で取引できる可能性もある
一方で縮小傾向の時は、
- 同じ取引量でも相対的に大きなコストとなる可能性がある
- 普段より小さな取引量で取引せざるを得ない可能性がある
現実的には、一定回数取引(例、一万回程度)をした場合の累計結果がマイナスであれば、期待値<コストの状況と推定できるため、自身の取引量を落とすことでコストを削減し、期待値>コストの状況を作り出し、累計結果を改善することができるかもしれない。
また、一定回数取引した累計結果がプラスの状況であれば、期待値>コストの状況と思われるため、取引量を増やすことでコストは上昇するが、取引量が増える分、期待金額:取引数量 x(期待値ーコスト)の値(累計結果)を改善できるかもしれない。